■暗証番号(PIN)を打ち込む必要がない、便利なコンタクトレス・カード決済。コロナ禍で一気に普及が進み、ロンドンの地下鉄やバスでも利用可能となっている。ただ、紛失・盗難の際に簡単に悪用されてしまうという欠点もある。現在のところ、上限は100ポンドだが、来年の3月からこの上限が取り払われることが発表された。各メディアが報じた。日本では「タッチ決済」とも呼ばれるコンタクトレス・カード決済は、英国では2007年に導入された。当初の上限は10ポンドで、その後段階的に引き上げられ、コロナ禍を背景に2020年に45ポンド、21年10月には100ポンドとなった。一方、スマートフォン決済では、生体認証などのセキュリティ機能により、すでに金額の制限なしの支払いが可能だ。

英国の金融規制当局、金融行動監視機構(FCA)は、数百万人の利用者がコンタクトレス・カード決済用カードの支払い上限を自分で設定できるようになり、場合によっては上限なしにもできるとする方針を確認。来年3月以降、実施される予定という。しかし、上限がなくなることで浪費につながったり、あるいは紛失・盗難の際の被害額が大きくなったりするのでは、といった懸念の声も聞かれている。実際に、現在の上限である100ポンドを維持したいという声は強く、FCAが実施した調査では、回答した消費者の78%が「現行ルールの変更を望まない」と答えたことも公表された。
FCAはこうした声に配慮し、カード利用者自身が個別に上限を決めたり、コンタクトレス・カード決済機能を完全にオフにしたりできる仕組みを導入するよう、金融機関側に促している。すでに一部の銀行では、こうした設定が可能となっている。高額決済が容易になることで、盗難や詐欺のリスクを懸念する声に対しては、一定回数の連続利用後にはPIN入力が求められるなどの対策も維持される。またFCAでは、不正利用があった場合、利用者は補償されるとしている。専門家や支援団体からは、無制限の利便性が衝動的な支出や、家庭内での金融的な虐待を助長しかねないとの指摘も出ている。 By週刊ジャーニー (Japan Journals Ltd London)








































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