■野生界でも、木になる果物が熟す実りの季節となっている。野生のチンパンジーが、熟した果実を食べることで1日あたりビール1本分に相当するアルコールを摂取していることが新たな研究で明らかになった。研究者らは、この発見が、人類のアルコール嗜好は共通の霊長類の祖先に由来する可能性を示す証拠になりえるとしている。BBCが報じた。

このほど、学術誌『サイエンス・アドバンシズ』に掲載された研究報告の中で、米カリフォルニア大学バークレー校の研究者アレクセイ・マロ氏は、「人間がアルコールに惹かれるのは、人間とチンパンジーとの共通の祖先が発酵した果実を主要な食料源としていたことと関係がある」と説明している。
研究チームは、西アフリカのコートジボワールとウガンダに生息する野生チンパンジーが好んで食べるイチジクやスモモなどの果実に含まれるエタノール(純アルコール)量を測定。チンパンジーが森の地面に落ちた熟した果物を食べる姿は以前から観察されていたが、今回の研究で、どの程度のアルコールを摂取しているかを定量的に示すことに初めて成功したとされている。その結果、チンパンジーは通常の「食事」から、平均約14グラムのエタノールを摂取していることが判明。これは英国のアルコール単位で約2ユニット、330ミリリットルのラガービール1本分に相当する。また、チンパンジーたちが最も好んでいたのはアルコール含有量が高い果実だったという。
この研究は、「酔っ払いザル仮説(drunken monkey hypothesis)」を裏づけるものとされる。この仮説は、人間のアルコール嗜好が霊長類の進化の過程で受け継がれたとするもので、バークレー校のロバート・ダドリー教授が最初に提唱。当初は懐疑的な見方も多かったが、近年では『酔っぱらいサル』の観察例が増えているという。英国セント・アンドリューズ大学の霊長類学者キャサリン・ホバイター教授は、「この研究は、人類とアルコールの関係が約3000万年前までさかのぼる可能性を示している」と話している。
一方、英国エクセター大学のキンバリー・ホッキンス博士は「今回の研究で提示された量は、チンパンジーたちが酔うほどの量とは言えない」と疑問を呈している。「もし酔ってしまえば、野生界では生命の危険にさらされる恐れがある」と述べている。国際自然保護連合(IUCN)によると、チンパンジーは絶滅危惧種に指定されており、森林伐採や農地開発、道路建設などによる生息地の喪失が最大の脅威とされる。 By週刊ジャーニー (Japan Journals Ltd London)








































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