■世界各地でオーバーツーリズムによる観光公害が問題となる中、絵のように美しい風車群で知られるオランダ北部の歴史的な村ザーンセ・スカンスでは、村民100人に対し、昨年だけで260万人が訪れ、急増する観光客が地域の生活を圧迫している。地元自治体は来春から、域外からの来訪者に17.50ユーロ(約2800円)の入場料を課す方針を発表した。

村の博物館館長マリエケ・フェルワイ氏は「2017年には170万人だった訪問者数が、今年は280万人に迫る勢い。庭や住宅に入り込んだり、プライバシーを侵害したりする行為も後を絶たない」と訴える。観光客が家屋をのぞき込んだり、敷地内で排泄したりする例もあり、住民の不満は深刻だ。入村料はオンライン予約・決済が必須となり、料金には博物館入場と風車内部見学が含まれる。博物館にはクロード・モネが1871年に描いた風車の絵も所蔵され、風車では17世紀に穀物だけでなく顔料製造や製材に利用された仕組みを学べる。自治体は年間約2450万ユーロの収入を見込み、トイレ整備や風車の維持管理に充てる計画だ。
一方、土産物店や飲食店は強く反発する。1623年創業の骨董・ギフト店「トラッシュ・アンド・トレジャーズ」を経営するステレ・スハープ氏は「家族4人なら駐車料を含めて100ユーロ近くかかり、買い物に回す余裕がなくなるのではないか」と懸念を示す。観光客の反応は分かれる。カナダから訪れたイシャンさんは「風車を見るだけに17.50ユーロは高い」と話す一方、ギリシャ育ちで現在オランダ在住のエリシアさんは「小さな村は観光客が多すぎると魅力を失う。入場料は理解できる」と肯定的だ。
観光学者レイチェル・ドッズ教授は「ブータンは日額で入国料を課し、ベネチアも日帰り客から5ユーロを徴収している」と指摘。ただし村レベルでの導入は依然まれで、英国デヴォン州クロヴェリー村やイタリアのチヴィタ・ディ・バニョレージョなどが例外的に知られる。この「入場料騒動」は、世界各地の観光地が直面する『オーバーツーリズム』への対応策として注目されそうだ。 By週刊ジャーニー (Japan Journals Ltd London)








































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