■わが子のiPadを取り上げた実の母親が警察に逮捕・拘留される出来事があった。英各メディアが報じた。逮捕されたのはサリー県コブハム在住、歴史教師のヴァネッサ・ブラウンさん(50)。学業に集中させる目的で娘たちからiPad2台を取り上げたところ、窃盗容疑で警察に連行され、7時間半にわたって拘置所に勾留された。ブラウンさんは逮捕から実に12時間後に釈放された。

事件はブラウンさんの元パートナーの男性が「iPadが盗まれた」と通報したことに端を発する。警察はiPadに搭載されたGPSを頼りに捜索。ブラウンさんの実家を特定しブラウンさんを逮捕した。警察はさらに娘たちが通う学校を訪れ、娘の1人を授業中に呼び出して事情聴取を行った。ブラウンさんは警察に身柄を拘束され、所持品検査を受け、指紋採取と顔写真の撮影も行われた。
LBCラジオに出演したブラウンさんは「窃盗や暴力事件で通報しても数日間放置されることもあるのに、たった1時間足らずで何台ものパトカーが自宅に押し寄せたのは信じられない対応ぶりだ」と怒りをあらわにした。サリー警察は後日、母親であるブラウンさんが娘たちからiPadを取り上げたのは正しい行為だったと認めた。元警察・犯罪対策コミッショナーである保守党のアンソニー・スタンズフェルド議員は「国外逃亡のおそれもない50歳の教育者を7時間も勾留する必要はなかった。警察署長自らが直接謝罪すべきだ」とし、警察に正式な謝罪を求めている。By週刊ジャーニー (Japan Journals Ltd London)