■ロンドン北部の公園で、短い夏の風物詩、バーベキュー(BBQ)が禁止された。一部利用者によるごみの放置や騒音、排泄行為が相次いだことを受けたものという。メトロ紙(電子版)が伝えた。BBQ禁止令が出されたのは、ハイゲート地区にあるウォーターロウ・パーク(Waterlow Park)。カムデン・カウンシルは、同公園での無秩序な「パーティー」が近隣住民の迷惑になっているとして先週、BBQ禁止措置を発表した。

今回の決定は、環境汚染や芝生・野生動物への影響を懸念する住民の署名運動を受けたもの。地元住民によると、公園では一部の利用者が大音量で音楽を流し、指定場所以外でBBQを行い、さらには茂みに隠れて排泄する人まで現れたという。カムデン・カウンシルによれば、住民の約2人に1人が自宅に庭を持たない状況であり、公園は憩いと交流、運動の場として重要な役割を果たしているという。近隣に住む女性(70)は「BBQには全面的に反対。今回の措置はとっても良いことよ」と話す。また、別の女性(55)も「地域の人たちがBBQを通じて交流していた面もあるけど、安全面の問題があるのも理解できる」と話した。一方、自宅に庭を持たないロンドン市民からは「残念」という声が上がっている。26歳の男性は「ロンドンで暮らす若者の多くは、屋外にスペースがない。BBQは夏の風物詩なので寂しい」とコメント。
しかし、地元の女性(67)は「健康にも環境にも良くないわ。そもそもBBQをしに来る人たちは地元の人じゃない。彼らのせいで、地元の人間が公園を使いづらくなっていたの。これからはピクニックを楽しめばいいわ。その方が煙に悩まされることなく、公園を気持ちよく使えるでしょう」と語った。BBQ禁止措置についてカムデン・カウンシルは、今後も定期的に見直す方針であると話している。ロンドン中心部のレスター・スクエアも先週、ストリート・ミュージシャンの演奏が禁止されたばかり。「いい」と「ダメ」の間に妥協点って、ないんかね。 By週刊ジャーニー (Japan Journals Ltd London)