■英国人女性が脱サラし、昨年ロンドン郊外にポケットモンスター(ポケモン)の「コレクターズ・カードハウス」をオープン。今では世界中のファンが訪れる場所となっている。「デイリー・メール」紙(電子版)が報じた。

クロエ・ウェッブさん(31)は昨年4月、ハートフォードシャーのチョーリーウッド村に「コレクターズ・カードハウス」をオープンした。クロエさんは、「毎週、日本や米国、アラブ首長国連邦など海外からお客さんが来てくれます。世界中にたくさんの友達ができたなんて、私にとっては信じられないことです。だって普通の仕事をしていたときは、自分の小さな世界から出ることなんてなかったんですもの」と語る。さらに「私はポケモンとともに生き、呼吸し、食事をしています。この仕事は私の人生のすべてを変えました。おかげで私は今、このビジネスを築くことができ、大きな成功を手にすることができたのです」と続けた。
ポケモンは1996年に任天堂ゲームボーイ向けに誕生し、プレイヤーは「ポケモン」と呼ばれる仮想のモンスターを捕まえ、育て、バトルさせるゲームとしてスタート。英国には99年に上陸。「ポケモン」がテレビで放映され、全国のニュースエージェントではトレーディングカードのパックが販売された。ワトフォード出身のクロエさんがポケモンファンになったのはちょうどこの頃。クロエさんはパンデミック直前に夫のハリーさんとオンラインでポケモンカードを販売するビジネスを開始。ロックダウンの間にビジネスは急成長した。クロエさんは、ユーチューブチャンネル「PokiChloe」を開設してファンへのアプローチを開始。その後、ユーチューバー仲間のディーン・リアンダー氏(通称PokeDean)と共同で店舗ビジネスを立ち上げた。
コレクターズアイテムとしてのポケモンカード
近年、ポケモンカードは貴重なコレクターズアイテムとなり、来店客の多くが「もしかしたら金脈の上に座っているのかも」と期待を抱いてやって来るという。事実、昨年ノッティンガムシャーの男性が1990年代から2000年代のカードコレクションを売却し、5万5000万ポンド(約1000万円)の利益を上げた。

クロエさんはカードの価値が決まる要因について「価値を決めるのは様々な要素です。希少性がある場合もあれば、単に人気のポケモンだからという理由もあります。時には一夜にしてカードの価格が変動することもあり、『なぜこのカードが突然高騰したのか』説明できないこともあるんです」と話す。時には10万ポンド(約1900万円)の価値があるカードが持ち込まれることもあるが、クロエさんはもう驚かなくなったと話す。「この小さな紙切れがこれほどの価値を持つなんてとても非現実的なこと。人によっては家の頭金になる金額ですし、車を2、3台買えるくらいの値段ですよね。でも今の私たちにはこれが日常なんです。結局また新しい1日が来て、また新しいポケモンカードが持ち込まれる、そんな感じです」と笑う。ポケモンは来年、30周年を迎える。クロエさんは「以前はオフィスでごく普通の仕事をしていました。でも今ではポケモンが私の人生になっています。だからみんなが楽しんでくれる限り、私はこの仕事を続けていきます」と語った。すごいな、ポケモン!By週刊ジャーニー (Japan Journals Ltd London)
「コレクターズ・カードハウス」を運営するクロエ・ウェッブさんの動画はこちらから。© PokiChloe