■言うまでもなく英国では最も重要な「玄関」であり、利用乗客数の多さでは世界で５本の指に入るヒースロー空港。この超多忙な空港が24時間閉鎖されるという事態が発生。1300便が影響を受けたと報じられている。3月22日に業務は再開されたが、混乱はしばらく続くと見られている。ここまでの混乱を招いた原因について、様々な報道がなされている。
【なぜ閉鎖されたのか？】 ロンドン西部の変電所で起きた火災によりヒースローへの電力供給が停止。空港全体の機能停止につながった。火災の原因は明らかになっていないが20日（木）の午後11時23分にロンドン消防局がヘイズのネスルズ・アベニューに出動。金曜午前6時28分に鎮火したと発表されている。火災があった変電所は、空港からわずか約2.5kmの距離に位置する。エド・ミリバンドエネルギー担当相はBBCラジオ4で「変電所の予備発電機も機能停止したようだ」と述べた。一時は火災の原因について、テロ活動の可能性も否定されていなかったが、22日現在では「不審な点は確認されていない」という。
【なぜここまでの大混乱になったのか？】 BBCの取材によると、ヒースロー空港には重要システム用バックアップ電源は存在するものの、空港全体を直ちに再稼働させるには時間がかかると言う。空港関係者は「空港には複数の電力供給源があり、ディーゼル発電機や無停電電源装置（UPS）も整備されており、停電発生時、これらの予備システムは想定どおり稼働した」と話している。それでも空港全体を維持できる容量ではなかったため空港は全面的に閉鎖された。なぜ予備電源が全体の稼働に足りなかったのか、なぜ国家電力網（ナショナル・グリッド）で十分な電力供給ができなかったのかなど、いくつかの疑問が残されているが空港側は「今後調査を行う」と述べるにとどめている。「数日間にわたって大規模な混乱が続く可能性がある」とも警告されており、ヒースロー空港は引き続き、乗客には各航空会社に個別に連絡を取るよう案内している。■ヒースロー空港の問い合わせ窓口：020 8757 2700 By週刊ジャーニー (Japan Journals Ltd London)
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