■先週木曜日、本誌編集者の元に1通のテキストメッセージが届いた。「DWP通知:2024―2025年度 冬季暖房手当(WFA)の申請締切が迫っています。これは英国年金・福祉省(DWP)が給付する300ポンド(約5万7000円)の冬季暖房手当です。あなたがまだ申請を完了していないため支給できません。申請締切日は2025年2月28日です。この給付を受けるために下記のリンクからお早めに申請を完了してください」とあった。

リンク先のURLを見ると政府のものと全く異なる。さらに、この冬季暖房手当の受給資格があるのは年金受給者のみ。筆者は明らかに同手当給付の対象外であるため詐欺メールであることを確信。その上で編集者としてのちょっとした好奇心からリンクをクリックしてみた。すると、政府機関のサイトgov.ukそっくりの画面が現れた。このサイトの下方にある駐車場の申請など関係のないリンクをクリックしてみてもリンクは存在せず、何も起こらない。その辺りは雑な作り。
冬季暖房手当(WFA)の申請ページに進み、架空の名前や住所を入れても拒否されることなくサクサク進む。興味がないようだ。最後に、申請に必要だからとクレジットカードの詳細を入れるよう促される。これが彼らの狙い。入力してしまえば手に入れたカード情報を利用してあっという間に何やら買い物をされてしまうのだろう。不特定多数にテキストを大量送付していると考えられるが、年金生活者にとって300ポンドの給付金は大きい。残念ながら騙されてしまう高齢者はいるだろう。高騰する光熱費の支払いに苦しむ高齢者の藁にもすがりたい気持ちを悪用する悪質な詐欺。許し難い。もしも同様のテキストが届いても絶対にひっかからないようお気を付けください。(編集部I)By週刊ジャーニー (Japan Journals Ltd London)