■セント・パンクラス駅の乗客数増加を目指し、ロンドンからドイツ、スイス、フランスへの新たな直通列車の運行計画が進められている。BBC(電子版)が伝えた。

セント・パンクラス駅を所有し、英仏海峡トンネル路線を運営するロンドン・セント・パンクラス・ハイスピード社は、輸送能力を現在の1時間1800人から5000人近くまで増やすための提案を打ち出している。同社は異なる鉄道運行会社を誘致し、欧州各地への多様なサービス提供を目指しているという。現在、ユーロトンネルを通過する列車の運行はユーロスターが独占しており、パリ、ブリュッセル、アムステルダムへのルートがある。しかし、ロンドン・セント・パンクラス・ハイスピード社とゲトリンク(Getlink)社は、英国と欧州間の鉄道ネットワークの拡大に向けた協力を強化することで合意。同社は「多くのヨーロッパの都市は6時間以内で列車移動が可能で、短距離航空便と十分に競争できると考えている」と話す。
ユーロトンネルを所有するゲトリンク社の最高経営責任者は「ドイツ、スイス、フランスなど、低炭素型の移動手段を推進する魅力的な機会を提供していきたい」とコメント。ゲトリンク社はボルドーやマルセイユ、ケルン、フランクフルト、ジュネーブ、チューリッヒなどへの直通列車の運行が可能になると見込んでいる。なお、具体的な時期はまだ明らかにされていない。
ユーロスターは2023年6月にロンドンとディズニーランド・パリ間のサービスを廃止。以降、ロンドンとフランス南部を結ぶ路線も運行していない。現在、ユーロスターのライバルとなる運行会社として、ヴァージングループとエヴォリン(Evolyn)社が計画を進行中という。ロンドン・セント・パンクラス・ハイスピード社とゲトリンク社は、英国と欧州を結ぶ鉄道ネットワークの拡大を目指し、正式に協力関係を結んでいる。同社のロバート・シンクレア代表は「国際鉄道旅行の需要は拡大している」とし、「ゲトリンク社と協力し、輸送能力の拡大と新たな目的地の開設を促進することで、欧州全域を鉄道でつなぐ可能性を最大限に引き出したい」と話している。By週刊ジャーニー (Japan Journals Ltd London)