■英国発のぬいぐるみ「ジェリーキャット」。熱心なコレクターたちが高額で取引きする中、組織的万引きグループがジェリーキャットを狙い撃ちする事態が続いている。「ガーディアン」紙(電子版)が報じた。

ジェリーキャット(Jellycat)は1999年にロンドンで生まれたぬいぐるみブランド。シャーロット王女も愛用しているとして人気に火が付いた。しかしSNSでバズったぬいぐるみの人気が過熱。組織的な万引き犯罪の増加を招いている。特にコレクターズアイテムや限定版として発売された商品の人気が沸騰しており、小売価格12ポンドからせいぜい60ポンド程度の廃盤となった旧モデルが、中古品販売サイト「Vinted」や「eBay」などで、数百ポンドから時には数千ポンドで取引されている。
全国の玩具店はこの状況を受け万引き防止対策を強化。CCTV(監視カメラ)を増やしたほか、セキュリティタグの導入や顔認識ソフトで万引き犯を割り出すシステムを採用。一部店舗では駐車場に車のナンバープレート認識システムを導入。不審車両の特定を試みている。ケンブリッジシャー、グレート・シェルフォードの「スコッツデイルズ・ガーデンセンター」ではクリスマスシーズンに向けて万引きが急増。店長のキャロライン・オーウェン氏は「約60個のぬいぐるみが盗まれた」と語った。また「万引き犯は地元の人間ではなく、遠方からわざわざ来ているようだ」とも述べている。昨年、子どもを隠れ蓑にして万引きを繰り返し、ジェリーキャットのぬいぐるみを合計4000ポンド相当(約76万円)盗んだ女(35)が逮捕され実刑判決を受けた。女は幼い子どもたちを同行させ、高価なぬいぐるみを大量にベビーカーに詰め込んで持ち去っていた。By週刊ジャーニー (Japan Journals Ltd London)