英ホームオフィス、eVisaの全面導入の「締め切り」を延期

■英ホームオフィス(内務省)は、eVisa制度に問題が発生したことを受け、全面導入の「締め切り」を延期した。「ガーディアン」紙(電子版)など英各メディアが報じた。

これは人権団体が「英国での居住および就労の権利を持つ数十万人が、eVisaにアクセスできず、自身の移民ステータスを証明できなくなる可能性がある」と警告したことを受けてのもの。政府は英国での居住、就労、福利厚生を受ける権利を証明する物理的な生体認証居住許可証(BRP)を2024年12月31日をもって無効とし、以降はデジタル形式のeVisaに置き換える予定だった。

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eVisa切り替えの「締め切り」時期については、前政権の保守党が4月に発表したもので「英国に居住、就労、学習するために渡航してくる人物を厳格に管理し、国境の安全を強化し、移民制度の悪用を防ぐ」ことを目的としていた。しかしデジタルシステムにアクセスできない申請者から多くの苦情が寄せられ、さらにITシステムの不具合によって人々が海外で足止めされる可能性が懸念されてきた。内務省は自身でeVisaを申請できない人をサポートするために400万ポンドの予算を確保していた。またこの制度の認知度を高めるため、全国キャンペーンが先週から開始される予定だった。しかしマルホートラ移民担当大臣は先週、方針を修正することを表明した。

12月4日の大臣声明で「特にBRPや従来の書類から移行する人々に対するリスクが前政権下で明確に特定されず、適切に管理されていなかったことについての懸念が残っている。また、関係者から提起された他の問題にも対応している。eVisaが新たな『ウィンドラッシュ問題』になる可能性があるという指摘に関しても検討している」と発言した。さらに、同大臣は次のように述べた。「eVisaへの移行を円滑に進めるため、2024年12月31日をもって期限が切れる、永住許可を示すBRPまたはEUSS BRC(EU定住スキーム生体認証居住カード)について、少なくとも2025年3月31日まで、有効な渡航許可証明書として認めると決定した。この期限は引き続き見直しを行う」とした。

【ウィンドラッシュ問題とは】2018年に発覚するに至った英国の政治スキャンダル。誤って拘留された上に法的権利を拒否され、 強制送還の脅迫を受けるなどした移民が多数存在することが明らかになり、社会問題となった。影響を受けた人々の多くは英国臣民として生まれ、1973年以前に英国に移民したカリブ海諸国出身者。当時は居住許可を示す書類も発行されず、また、パスポート上にスタンプなども押されなかったため、不特定多数の人が誤って拘留されたり、仕事や家を失い、受けられるはずの給付や医療サービスを拒否されたりした。ちなみに「ウィンドラッシュ」はカリブ海諸国出身者の移民第1号を運んだ船の名前。By週刊ジャーニー (Japan Journals Ltd London)


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