■外国人旅行者に人気のラオス中部の町で、同じ宿に泊まっていた英国人女性など6人が今月中旬以降、相次いで死亡。メタノール中毒とみられる。英各メディアが報じた。
旅行者らが死亡したのは、ラオスの首都ヴィエンチャンから車で北に4時間ほど走った所にあるヴァンヴィエンという町。20年程前は稲田が広がる田園地帯だったが、近年は中国やタイからの資本でホテルが次々と建ち、川沿いにカクテルバーなどが並ぶ。この町にある「ナナ・バックパッカーズ・ホステル」に泊まっていた英国人女性で弁護士のシモーン・ホワイトさん(28)=写真=やデンマーク人女性2人、オーストラリア人女性2人、そして米国人男性の計6人が今月中旬以降、次々と死亡した。死亡した旅行者たちが口にしたという酒には密造酒に使われる工業用メタノールが含まれていた可能性が指摘されている。ホステルのマネージャーは少なくとも100人に同じ飲み物を提供したが、死亡した人たち以外は何の問題もなかったと話している。メタノールは毒性が強く、25ミリリットル程度の摂取で死に至ることもある。
東南アジアのバックパッカールートを目指す旅行者にとって、ヴァンヴィエンは「チュービング(tubing)」で有名だという。これは、水着を着たグループがトラックのタイヤに使われるチューブに乗り込んで川を下る。途中で川沿いのバーに寄り道し、ウォッカを楽しんだ後、再び川に戻るというアクティビティ。ベトナム経由でヴァンヴィエンに来たという英ハートフォードシャー出身の女性2人(27)は「ウォッカはチュービングのパッケージの一部。でも今は誰も地元のウォッカを手にしない。ベトナムでも無料の飲み物をもらうことが多かった。出されるものが危険だなんて全く思っていなかった。バケツを飲んだこともあるけど、もうそんな危険なことはしない」と話した。バケツとは小さなプラスチック製バケツに安いウォッカやリキュールを入れたもので、ストローで飲み物を分け合うという。「なぜ飲み物が無料なのか、今となっては疑問に思う。もしそれが英国で起きていたら絶対に怪しいと思うはず」と話した。By週刊ジャーニー (Japan Journals Ltd London)