■英国人にとって魚料理の筆頭といえばサーモン。しかし栄養不足を避けるためには養殖のサケではなく、天然のサバやイワシなどを食べるべきだと研究者が提言している。「デイリー・メール」紙(電子版)が伝えた。
ケンブリッジ大学の研究チームが養殖場育ちのサケが持つ栄養素を精査した結果、養殖サーモンよりも天然魚を食べた方が5倍以上の栄養素を摂取できることが分かった。研究チームのデヴィッド・ウィラー博士によると、英国では成人の24%が毎週サーモンを食べている一方で、サバは5.4%、アンチョビなどのイワシ類は1%、ニシンは0.4%しか口にしていないという。
サケの養殖業では通常、天然魚を粉砕してつくった飼料を与えている。しかし、その飼料には微量の栄養素しか含まれておらず、養殖されたサケよりも、むしろそのエサの一部となった野生の天然魚の方が重要な9つの栄養素のうち6つも値が高いことが判明。カルシウムは5倍以上、ヨウ素は4倍、鉄分、オメガ3、ビタミンB12、ビタミンAは1.5倍多く含まれていたという。とくに女性や10代の思春期の少女はヨウ素、セレン、鉄分が不足しがちだとして、養殖サーモンではなく天然のサバやイワシなどを食べるよう推奨されている。By週刊ジャーニー (Japan Journals Ltd London)