■13歳の少女が、カフェ・チェーンのコスタで購入したホットチョコレートを飲んで死亡する出来事があった。検視官は「アレルギーに関する安全研修が形骸化している」と非難している。英各メディアが報じた。
ロンドン東部バーキング在住のハナ・ジェイコブズさん(当時13)と母親のアビンボラ・ドゥイールさんは昨年2月8日、ハナさんが歯医者に行く前にバーキングにあるコスタに立ち寄り、豆乳ホットチョコレートを購入して飲んだ。歯医者に到着した後、ハナさんは突然立ち上がり、トイレに駆け込み「豆乳じゃなかった」と叫んだという。ハナさんは唇と口が大きく腫れ、痒みを訴えたため近くの薬局に急行。そこで脚にエピペン(EpiPen:症状の進行を緩和し、ショックを防ぐための補助治療剤)を注射された。同時に救急車が呼ばれ蘇生措置が試みられたが残念ながらハナさんは死亡した。
検視の結果、ハナさんはホットチョコレートに含まれていた成分によって引き起こされた過敏性アナフィラキシー反応により死亡したことが明らかになった。事故当日、ハナさんも母親も処方されていたエピペンを携帯していなかった。検視官のシャーリー・ラドクリフ博士は「アレルギーに関しての手順を遵守しなかったことと、スタッフとハナさんの母親との間に何らかの行き違いがあった」と指摘した。母親のドゥイールさんは強い憤りを示すとともに、「食品業界や医療専門家はアレルギー研修を受けることが求められているにもかかわらず、この研修が真剣に受け止められていないことが明らかになった。業界や社会全体でアナフィラキシーに対する認識を高める必要がある」と述べた。By週刊ジャーニー (Japan Journals Ltd London)