クロスボウ殺人事件…母親と娘２人を殺害、容疑者は自分の胸を刺して重体

■元交際相手とされる女性、その姉と母親の３人をクロスボウで射殺して逃走していた容疑者が10日午後、ロンドン北部で警察に拘束された事件は衝撃を与えた。クロスボウ所持にライセンスは不要とされている現行の法律に対して非難が寄せられている。英各メディアが報じた。

BBCの競馬ラジオ番組のコメンテーターであるジョン・ハント氏の妻キャロルさん（61）、娘のハンナさん（28）とルイーズさん（25）は、９日火曜日の午後７時頃、ワトフォード近郊ブシーの自宅で遺体となって発見された。水曜夜、ロンドン北部のエンフィールドに住むカイル・クリフォード容疑者（26）がエンフィールドの墓地で負傷しているところを逮捕された。クリフォード容疑者は殺害されたルイーズさんの元交際相手とされる。クリフォード容疑者は自らの胸を刺して重体という。

犠牲となったキャロル・ハントさん＝写真左上（キャロルさんの左に写っているのはBBCコメンテーターで夫のジョンさん）＝と娘のハンナさん＝同右上＝とルイーズさん＝同左下。ルイーズさんの元交際相手とされ、殺人容疑で逮捕されたクリフォード容疑者＝同右下。

凶器となったクロスボウだが、1987年に制定された「クロスボウ法」により英国ではクロスボウの購入は合法で所持にライセンスは必要ない。ただし成人の監督下にない18歳未満の所持は禁止。「合理的な理由」がない限り、公共の場でクロスボウを持ち歩くことは違法であり、違反者は最高４年の禁固刑に処せられる可能性がある。とはいえ、比較的容易に保持することが可能であることは否めない。今後、法律を見直すようにという声が高まる可能性がある。By週刊ジャーニー (Japan Journals Ltd London)