■先月から英国でも上映が続いている東宝の「ゴジラ―1.0(マイナスワン)」(監督・山崎貴)の全世界興行収入が現時点で140億円を突破する大ヒットとなっている。また同作品は23日、アカデミー賞視覚効果賞部門にノミネートされた。ポリコレで低迷するハリウッド映画を横目にゴジラが世界で暴れまくっている。

筆者は年に1度か2度、映画館に足を運ぶ程度。特にゴジラ映画のファンでもない。「ゴジラ―1.0」は動画サイトなどで予告編を見て興味を持ち、12月半ば、冷やかし程度に映画館に足を運んでみた。字幕映画にも関わらず米国人の間で評価が高いというのも気になっていた。幸いレスタースクエアの大画面IMAXで鑑賞することができた。
事前にゴジラを知っている必要はない。なぜならこの作品は1954年のゴジラ第一作よりもさらに前、第二次世界大戦末期のシーンから始まり、戦後の復興に誰もが必死になっていた頃の日本にゴジラが出現するというストーリー。そのため誰もが初めて遭遇するゴジラであり、観る側もゴジラに関する知識を求められることはない。
米国の映画館では上演終了後に拍手やスタンディングオベーションが起こったという。日本の映画評論家が米国の知人に理由を尋ねたところ「分断が進む米国で、無策な政府に替わって民間人が力を合わせて難局に立ち向かう姿に今の自分たちを重ね合わせているのではないか」とのこと。
「ゴジラ―1.0」は敗戦でゼロになった日本で復興に立ち上がる人々の物語で、反戦映画でもある。ゴジラと言う怪獣映画とヒューマンドラマが同時進行して最後に1つになる見事な作りとなっている。私は不覚にも随所で涙を流したが、同じ場面で多くの英国人が泣いているのを見て驚いた。
面白いのは1度だけでなく複数回、映画館に足を運ぶ人が多いこと。恥ずかしながら私も年末から年始にかけて7回観に行った。同じ映画を2回以上映画館で観るのは初めての経験。それも7回となると自分で自分を気味悪く思うが、この映画にはそれくらいの中毒性がある。
VFX(特撮)もさることながらサウンドが素晴らしく、こればかりは、後に自宅で何度でも観られるようになったとしても映画館の迫力には敵わない。最近はテレビどころかスマホの画面で映像を見る機会が多くなった。映画館の回し者ではないが、やはり映画館での鑑賞はいい。長い予告編ですら楽しい。まだロンドンでも「ゴジラ―1.0」を上映しているところは多少残っている。機会があったらぜひ足を運んでください。(編集部T)By 週刊ジャーニー (Japan Journals Ltd London)
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