辻仁成ロンドン・ソロライブに行ってみた！

■ロックバンド「ECHOES（エコーズ）」のヴォーカルとしてデビューし、ミュージシャン、作家、映画監督…と、多方面で活躍し、ヒット曲や芥川賞受賞作を生み出してきたアーティスト、辻仁成氏。近年はブログやYouTube、そして料理でも新たなファン層を獲得する同氏。『多才』という言葉がこれほど当てはまる人もそういないが、今回は彼の原点であるミュージシャンとしてロンドンにやってきた。

パリのオランピア劇場、日本各地での公演を経て、今年のワールド・ツアーを締めくくるべく10月23日にコヴェント・ガーデンのジャズ・バー「QT」で開催されたソロライブ。大きな劇場ではなく、五つ星ホテルの地下にある小規模ながらもゆったりとした空間で行われたロンドン公演に足を運べたファンはこの上ない幸運であったことは間違いない。

型にはまらない多国籍なバンドメンバーに脇を固められた同氏の音楽は、多様性溢れるロンドンの街にしっくりはまる。英国公演とあり「サマータイム」「サニー」「マイ・ファニー・バレンタイン」など英語の名曲の散りばめ、シティ・ポップ調のオリジナル曲「City Lights」、海外在住者の心に響いてやまない「故郷」ほか、グラミー賞アーティストDeepForestとの共作で今年世界配信された日本の歴史的楽曲「荒城の月」、そしてアンコールでは名曲「Zoo」で締めくくり。辻氏ならではの型破りな夜に魅了された。