■サンデー・タイムズ紙、タイムズ紙、そしてチャンネル4の番組「ディスパッチ」との合同調査により、4人の女性が人気コメディアン、ラッセル・ブランド氏をレイプと性的暴行で告発した。報道があって以来、なぜ女性たちは警察ではなく、メディアに話を持ち込んだのかという疑問の声が上がり始めている。BBCが報じた。

ブランド氏は人気絶頂期、職場内で服を脱いだり、性的な発言をしたり、アグレッシブな行動をとったりするなど不適切な振る舞いをしたとして告発された。同氏は疑惑を否定している。
ブランド氏をメディアに告発した1人、ナディアさんは2012年に暴行を受けたその日にレイプ危機管理センターで治療を受けたという。同センターは警察に通報。警官からナディアさんに連絡があったというが、ナディアさんは「言ったところで信じてもらえないだろう」と思い被害届を提出しなかったという。
庶民院女性平等委員会のキャロライン・ノークス委員長はBBCに「性的暴行を報告する女性は世間からの厳しい視線と偏見にさらされる可能性がある」と話す。続けて「ブランド容疑者の件が報道されて以来、人々は女性たちの主張の信憑性に疑いの目を向け、なぜ名乗り出るのにこれほど時間がかかったのかといぶかしむ。これは被害者を非難し、辱める典型的なパターンで、弱い立場にある人が被害を訴えるのを戸惑わせる要因となっている」と話した。
ノークス委員長は「女性が犯罪を通報することを警察が奨励し、背中を押すことを望んでいるが、警視庁自体が雲の中にいる状況では難しい」と話す。ここ数年、現役警察官によるレイプ事件が大きく報道され、国民の警察に寄せる信頼が揺らいでいることも、女性が警察に通報しづらい原因の一つになっているという。By 週刊ジャーニー (Japan Journals Ltd London)