■リシ・スナク英首相はガソリン車とディーゼル車の新車販売禁止を2030年から2035年に5年先送りすると発表した。BBCなど英各メディアが報じた。
米フォードはこの決定は電気自動車への投資計画を損なうものだと述べた。一方でトヨタは延期を「現実的だ」と歓迎している。英国の自動車業界団体SMMTは「この遅延は、消費者に電気自動車への切り替えを躊躇させる可能性がある」と懸念を示している。
スナク首相が政策転換を発表する前、政府は2030年までに純粋なガソリン車とディーゼル車の新車販売を禁止すると発表していた。現在はそれが2035年にまで延期された。ガソリン車とディーゼル車の新車販売を段階的に禁止することで電気自動車への移行を加速させ、その間に充電インフラを拡大し、最終的に2050年までに「ネットゼロ」を達成することを目指している。「ネットゼロ」とは炭素排出量が実質ゼロになることで気候変動への取り組み上、不可欠とされる。
この禁止令により2035年以降、消費者は電気バッテリー車、またはゼロ・エミッション車(環境を汚染しない、気候を混乱させる廃棄物を排出しないエンジンやモーターを搭載した車)しか新車は購入できなくなる。しかしほとんどの人は当面、中古車を購入するとみられており、すぐに禁止令の影響は出ないだろうとも言われている。By 週刊ジャーニー (Japan Journals Ltd London)