■英国で最も権威のある2つのバレエ学校「ロイヤル・バレエ・スクール」と「エルムハースト・バレエ・スクール」で長年にわたって蔓延しているボディ・シェイミング(他人の体型をバカにしたり、批判したりすること)により、現在も摂食障害や精神衛生上の問題を抱えたまま苦しんでいるとして、元生徒たちが声を上げている。BBC(電子版)が伝えた。
チャールズ国王が名誉総裁を務めるロンドンのロイヤル・バレエ団付属「ロイヤル・バレエ・スクール」は、世界で最も有名な学校のひとつ。マーゴ・フォンテインやダーシー・バッセルらをはじめとする、人気バレエダンサーを輩出している。また、バーミンガムにあるバーミンガム・ロイヤル・バレエ団附属「エルムハースト・バレエ・スクール」も名門で、カミラ王妃が後援者となっている。
両校では、バレエダンサーはスリムで運動神経が良くなければ役をこなせないとされており、プロスポーツ選手並みの過酷なプログラムが課されている。だが、長年にわたるこうした「訓練」で、多くの卒業生たちが摂食障害で苦しんでおり、また主役に極端に細いバレリーナを起用することへの批判も噴出している。
引退した元バレリーナのエレン・エルフィックさん(30)は、ロイヤル・バレエ・スクールで受けた仕打ちを理由に、同校に対する法的措置を開始。彼女は入学後に鏡の前に立たされ、教師から「もし私がナイフを持っていたら、ここを切り落とすわ」とお尻全体、太ももの半分、ふくらはぎの3分の1を切り落とさすようなしぐさとともに言われたという。あまりの羞恥心に自分の身体に対する憎しみでいっぱいになり、摂食障害のスパイラルに陥った。自分の身体が間違った形をしているというトラウマに今も苦しんでいるという。By 週刊ジャーニー (Japan Journals Ltd London)