■古代ギリシャ文明の世界的な専門家として知られる、大英博物館=写真=の学芸員ピーター・ジョン・ヒッグス氏(56)が、30年以上勤務していた同館が所蔵する宝物品の窃盗容疑で解雇されていたことがわかった。「デイリー・メール」紙(電子版)が伝えた。

ヒッグス氏はギリシャや地中海地域の古代遺物を専門とする、英国を代表するキュレーターの1人。大英博物館のギリシャ部門の担当学芸員であると同時に、美術品がどういった経緯で辿り着いたかを追跡し、必要があればそれらを「略奪された」と訴える国へ返還したり、あるいはそれらを展示したりする特別チーム「Monuments Men」のメンバーでもあった。
ヒッグス氏には、大英博物館の保管庫に収蔵されている古代ギリシャ・ローマ時代の貴重品の紛失、盗難、破損の疑いかかけられており、これらを「eBay」などで売りに出していたとされている。しかし、同氏の家族は「完全なる無実であり、絶対に汚名を晴らす」と主張。
息子のグレッグ氏は「大英博物館での仕事は父のライフワークであり、仕事にこれほど情熱を注いでいる人を私は知らない。父は仕事も評判も失った。父であるはずがない。私が知る限り、何も紛失していない」と無実を訴えている。By 週刊ジャーニー (Japan Journals Ltd London)