
■スコットランド出身のジャーナリスト、アンドリュー・ニール氏が、先週広島で交わされた日英間の「広島アコード(合意)」に絡め、ブレグジット後の英国の立場を英「デイリー・メール」紙に寄稿した。大変興味深い内容なので一部抜粋してご紹介する。
80年前、英国とその同盟国はアジアと太平洋で大日本帝国と戦った。そこで我々の軍隊はナチスとの戦いで経験した以上にひどい残虐行為にさらされた。私は、第二次世界大戦を戦った父の世代を多く知っている。彼らは時を経てドイツとの和解を受け入れるようになった。一方、彼らが見たり受けたりした蛮行の数々により日本を決して許すことができなかった。
しかし、今の日本は民主主義を守り、アグレッシブな独裁者と戦うための重要な同盟国となっている。ダウニング街(首相官邸)のある人物は今週私に「英日はかつてないほど緊密で重要な関係にある。我々は日本をブレグジット後の英国にとって極めて重要な21世紀のパートナーだと考えている。彼らも私たちのことを同様に捉えている。我々の友情は深化している」と語った。
従ってリシ・スナク首相がG7サミットのための訪日を利用して、岸田首相と新しい英日合意に達したことは驚くべきことではない。この合意は岸田氏の故郷であり、78年前に米国が原爆を投下した2つの都市のうちの1つである広島で署名されたことから、「広島アコード(Hiroshima Accord)」とも呼ばれている。想像を絶する惨状を経験した広島を、スナク首相が英国の首相として初めて訪問したことは、英日間の緊密な関係を表すものとして意義深い。
中国が台湾封鎖を試み、その過程で世界の貿易に混乱が生じた場合、サプライチェーンを保護し、経済を維持し続けるためにこの合意は日本との共同訓練への英国側の参加機会を増やし、軍事協力を促進させることとなるだろう。また、研究開発、貿易、科学、サイバー戦争など英国が日本に提供できる分野での協力も大幅に拡大し、クリーンエネルギーから生命科学、手頃な価格の住宅供給に至るまで、日本から英国への新規投資は180億ポンドに達すると予想されている。
重要なことは中国がマイクロチップの供給停止を意図した際に、その供給が維持されるように策定されていることだ。これらのチップは携帯電話、家電、ロボット、自動車、飛行機、高度な兵器システムなど、現代経済のほぼ全てに不可欠なものだ。
日本はすでに英国に対して920億ポンドの投資を行っており、我が国にとって5番目に大きな投資国だ。ある予測では近いうちに米国に次ぐ規模になる可能性もあると言われている。合意は2国をヨーロッパとアジアにおける「最も緊密な安全保障パートナー」と位置づけている。これは日本が英国を最も重要なヨーロッパの同盟国とみなし、一方で英国が日本を最も重要なアジアの同盟国とみなしていることを意味する。(中略)我々は世界最大の経済大国である米国とかつてないレベルで親友であり続ける。環太平洋地域で極めて重要な位置を占める世界第3位の経済大国日本と親しい仲間になることを好まない理由があるだろうか。
もちろん否定的な人たちの中には「日本はかつてのような経済大国ではない」と指摘する人もいるだろう。ドイツも以前のような経済大国ではないが、それでもベルリンとは外交、軍事、経済の面で緊密な関係を保ちたいと考えるのは当然のことだ。日本は依然、経済大国であり、GDPは5兆ドル(4兆ポンド)に迫り我々よりも40パーセント多い。どう見ても豊かで成功した社会だ。株価指数(日経平均株価)は今週、1990以来の高値をつけた。今年の成長率は予想以上に高く、円安は日本が誇る輸出産業を後押ししている。〈その2へ続く〉By 週刊ジャーニー (Japan Journals Ltd London)








































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