Lying-in-stateの女王のもとへ 【体験談】13時間後に果たした弔問 その2

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■エリザベス女王が亡くなって約2週間。ウェストミンスター・ホールへの弔問を選んだ編集部スタッフの体験談の続きをお届けしたい。

【ロンドン・ブリッジ】
22時45分
東ロンドンに住む友人が、筆者たちにテイクアウェーの差し入れを持って列まで来てくれた。シンプルなスペシャル・フライドライスだったが、温かさが身に染みた。この日の最低気温は摂氏5度。手袋がほしかった。

【ナショナル・シアター】
午前2時
ルート沿いには500の簡易トイレが設置されたほか、グローブ座やテイト・モダンなどの各施設もトイレを夜通し解放。また、一部のカフェやフィッシュ&チップス店も営業した。とはいえ、どこも長蛇の列。それでも皆、士気は高い。前後の人たちとお菓子やスナックをあげたりもらったりし、自己紹介から身の上話に発展して盛り上がったり、退屈することがなかった。夜通し歩き、ひとつの目標に向かっていることから生まれる連帯感は強い。筆者たちは12人なからなる、ちょっとしたグループを構成するに至った。そのうちのひとりがグループ用「WhatsApp」を立ち上げてくれた(帰宅後から19日が終わるまで、頻繁にメッセージや写真・情報が飛び交った)。

【ウエストミンスター・ブリッジ】
午前4時
ようやくビッグベンが見えるところまでやってきた。アルバート・エンバンクメント・パスに降りる際に、リストバンドの確認があり、これがなければその先は入場禁止。ランベス・ブリッジを渡り、ウェストミンスター宮殿手前のジグザグ列に入る。ホールはすぐそこだが、ここからさらに2~3時間かかるという。あともうひと息。

【セキュリティ・チェック】
午前6時25分
荷物検査は厳しく、すべての液体(消毒用ジェルなども含む)、すべての飲食物を放棄させられる。未開封かつナマモノでない食品はフードバンクに寄付されたという。携帯電話はここで電源を切るよう求められた。

【ウェストミンスター・ホール】
午前6時40分
ついに到達。ホールに入った瞬間、厳粛すぎるほどの静寂に圧倒されてしまった。言葉がみつからない。威厳と壮麗さが場を満たしている。ゆっくりと列は進む。予想以上に棺もその上にのった王冠も小さい。その小さな体で70年も…。思わず涙がこぼれた。手をあわせて深く一礼した。立ち去りがたかったが、後ろから次々に弔問者がやってくる。後ろ髪をひかれる思いでホールを退出した。外に出ると、朝日があたりを照らしていた。

By 週刊ジャーニー (Japan Journals Ltd London)