
■ 日本への一時帰国を終えて、羽田からの直行便で午後3時半にヒースローのターミナル5に到着。入国審査場へと向かう筆者の目に飛び込んできたのは、メインの待機エリアに入り切らない到着者の長い長い列だった。
200メートル、いやそれ以上か。2重になっていて、最後尾を何とか見つけることができたものの、折り返し地点を確認することはできなかった。列の途中に、新たな到着便からの一団が割りいってくる形になり、混乱に拍車がかかる(写真右=入国審査のメインフロアにおさまりきらず、通路にできた長い列に並ぶ到着者たち/写真左=入国審査のメインフロアに到達しても、まだ道のりは長い。何重にもできた列にならび、忍耐強く順番を待つしかない)。
空港職員が、新規到着者に対して最後尾にまわるよう説明するが、最後尾がどこか、あまりに遠くて見えない(日本なら、「最後尾」という看板を持った職員が立ってくれることだろう)。戸惑う到着者の中には、何食わぬ顔で列への割り込みを試みる者もいるが、すぐに、「キュージャンピング」はやめるよう鋭く注意の声が上がる。時には怒号もとび、人々の間に疲労を伴う強い苛立ちが広がっているのが分かる。
それでも約30分でメインの待機エリアに入れたので、列は一応流れていたことが分かった。陰性証明書も「Passenger Locator Form」も確認しない旨の伝達がなされ、実際に何も提出を求められなかったが、そのおかげで、ここまで改善されたと見るべきなのだろう。
最終的に1時間30分ほどで入国審査を終えることができた。最初は3時間ほどを覚悟したので、予想以上に早かった、という印象。この入国審査に並んでいる間に、預けたスーツケースがどうなっているのかと心配しながら、バゲージ引き取りのフロアへ。既に到着荷物は全てターンベルトから下ろされ、1ヵ所にまとめられていた。航空会社のスタッフが荷物を守るようにして待機してくれており、自分のスーツケースをスムーズにピックアップすることが出来て一安心。
しかし、それにしてもこの状況。「混沌(chaos)」という言葉ほどぴったりくるものはないと思えた。ヒースローのこの惨状が、コロナのNHS追跡アプリからの自主隔離を求める警告がイングランドとウェールズで、約50万人に送られたとされる「ピンデミック(pingdemic)」による極度の人手不足を原因として始まったとするなら、そろそろ本格的に解決されるべきだろう。もっとも、このように腹を立てても何も変わらないのがこの英国。消耗した体で重いスーツケースをひきずりながら帰路についたのだった。 (編集部I)
By 週刊ジャーニー (Japan Journals Ltd London)
































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