■約5000年前の新石器時代につくられた、英国を代表する古代遺跡「ストーンヘンジ」。この古代の聖地が「港湾都市リヴァプール」に続き、ユネスコ世界遺産からの登録取り消しの可能性が浮上していることが分かった。「デイリー・メール」紙(電子版)が報じた。
ストーンヘンジは「ストーンヘンジ、エイヴベリーと関連する遺跡群」として、1986年に世界遺産に指定された。しかし、登録直後からストーンヘンジを取り巻く悪環境は問題視されており、とくにA344は遺跡のすぐ横を通ることからも、観光客が殺到して常に大渋滞。その結果、2700万ポンドをかけて環境改善プロジェクト工事が行われ、2013年にA344は閉鎖された。そして次に問題視されていたのが、ストーンヘンジの南200メートルほどのところを走るA303だった。
英政府は、1車線のA303を2車線道路に変え、さらに遺跡を見ることができないようにストーンヘンジ周辺の約2マイルにトンネルを設けることを計画。17億ポンドという巨額の費用が投資されるこの新プロジェクトは、昨年11月に許可されていたことが判明した。
これに対し、ユネスコ遺産委員会は「トンネルの長さは遺跡群を保護するには不十分」とコメント。建造するならストーンヘンジから十分に離れた場所に出入り口を設け、周囲の景観保護のためにより長いトンネルにするよう提案した上で、あまりにも景観や環境が変わりすぎると「世界遺産の登録抹消」の可能性があることを示唆した。
世界遺産だったリヴァプールは、近年の港湾周辺の再開発から、登録抹消が先日発表されている。
By 週刊ジャーニー (Japan Journals Ltd London)