【読者投稿】強制できない自由な国、日本

■通算10年間のロンドン暮らしの後、シンガポールに転勤した後も頻繁にロンドンへ渡航していました。昨年3月上旬の訪問が、結果的にギリギリのタイミングになりましたが、その際2日続けてミーティングをした英国人が、3月末にコロナ禍で亡くなり、ショックを受けました。入院前に「ちょっと体調悪いので」と連絡が来たのですが、まさかその3日後に訃報を聞くことになるとは思いもしませんでした。

シンガポールでは「ロックダウン」ではなく「サーキット・ブレーカー(Circuit Breaker)」といわれていますが、『明るい北朝鮮』と呼ばれる国のことですから、非常に厳しい制限がありました。罰金だらけの国でもあり『Fine City(罰金の街)』とも呼ばれますが、マスクをしないで外出したら300シンガポールドルの罰金です(但し、それで済むのは1回目だけで、2回目からは裁判所へ出頭)。全ての飲食店は、テイクアウェー以外は営業禁止でしたが、それなりの休業補償が出るので、大きな不満は出ていないようでした。

その一方で、ある英国人が私の住んでいた川沿いのコンドミニアム横のレストラン前で集まって(外で)飲んでいたら、写真を撮られて通報され、国外退去処分になりました。また、日本人の子供が集まってサッカーしたことで、家族丸ごと国外退去処分になりました。

そこまでの厳しい措置が日本に合うかどうかという点では議論があると思いますが、緊急事態宣言とは名ばかりで全く実効性がなく、とうとう「延長しても効果がない」という理由で解除するような日本では、これから再び感染者が拡大すること確実です。東京オリンピック開催の頃には、とんでもない感染者になっている可能性があります。『国民の自由を重んじる国』だと言えば、聞こえは良いかもしれませんが、政府は単なる無策、途方に暮れるばかり、国民は無責任に外出しているのが現実です。ボリス・ジョンソン首相が「ロックダウンが遅れた」と反省する英国とは、大違いです。(在英10年/60代会社役員 岡田泰明)

By 週刊ジャーニー (Japan Journals Ltd London)