首相官邸の乱…ジョンソン首相の懐刀が追い出された舞台裏

■ボリス・ジョンソン英首相の上級顧問、ドミニク・カミングス氏(48)が13日夜、ダウニング街10番地(首相官邸)を後にした。ジョンソン首相は「空気を一新して前に進む」と話しているが、この『ダウニング街10番地(首相官邸)の乱』ともいえそうな権力争いで、その実力を示した人物がいる。英各メディアが報じた。

その人物とは、ジョンソン首相の婚約者、キャリー・シモンズ氏(32)=写真。4月にジョンソン氏との初めての子供である男児を出産。「お世継」ではないものの、男児を生んだ女性の勢力が一気に強まるという構図は宮廷や大奥と同じといえるかもしれない。ジョンソン首相の側近人事に口をはさんだシモンズ氏を、カミングス氏が批判したことから同首相の怒りをかったと見られている。

シモンズ氏はお嬢様風の外見ながら、強い側面も持ち合わせていることを証明。父は「インディペンデント」紙(現在はオンライン版のみ)の共同創始者、母親は弁護士。また、父方の祖父は一時、「デイリー・ヘラルド」紙の編集長を務めるなどし男爵位を与えらえた人物で、父方の祖母はBBCワールド・サービスのジャーナリストとして活動。いわばジャーナリスト一家の血をひいており、だてにジョンソン氏の婚約者になったわけではないことを世間に知らしめることになった。

官邸内お家騒動の中心的存在だったカミングス氏にさきがけて、官邸の広報主任だったリー・ケイン氏も既に辞職しており、保守党内部にはこのペアの辞任を歓迎する声も上がっているという。BBCのローラ・クーンズバーグ政治記者は「官邸内には意見の異なる人たちの間で長い間緊張があった。今回ゆっくり燃えていた導火線が一気に爆発した」と、この状況を説明した。

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カミングス氏は緻密なデータ分析や巧みな広告戦略を展開し、EU離脱派を勝利に導いたことで「黒幕」として知られるようになった。しかし、とるに足らないと判断した相手は誰であれ鼻にもかけない態度をとることから、ウエストミンスターに友人はほとんどいないと言われていた。

By 週刊ジャーニー (Japan Journals Ltd London)