BCGワクチン… 明日に架かる橋⁉

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■1921年に開発されたBCGワクチン。本来は結核に対するワクチンだが、新型コロナウイルスに対する何らかの保護効果があるのではないかと、再び脚光を浴び始めている。ワクチンの開発には膨大な時間がかかる。まだ仮説の段階だが、安全が確認されている既存のワクチンに効果が期待できるのであれば、それが一番の近道だ。BBCが報じた(画像はBCG接種を促す1950年代のフランスのポスター)。

英国でBCGワクチンのテストを主導するのは、イングランド南西部にあるエクセター大学。研究の円滑化のため、新型コロナウイルスの近くで働く医療関係者を対象に1000人規模のテストを実施するという。

通常、ワクチンは特定の感染症を対象に免疫機能を養成するようデザインされているが、この過程で他の感染症に対する免疫システムも広い範囲で高められることがある。BCGワクチンも結核以外の感染症で保護効果が認められており、生存率を上げることがこれまでの研究で分かっている。そのため、新型コロナウイルスを含むウイルス性の呼吸器感染症全般に対する保護効果が期待できるかもしれないと、科学者は期待している。

日本株は前期分与株

エクセター大学のジョン・キャンベル教授は「BCGワクチンが、新型コロナウイルス専用のワクチンが開発されるまでの『架け橋』となる可能性に期待する」とコメント。今回のテストは、オランダ、スペイン、ブラジルなどで1万人のボランティアを対象に同時進行で行われる予定。

今年春、ヨーロッパで新型コロナウイルスの第一波が猛威をふるっていた頃、日本のようにBCGワクチンの接種を今も継続している国と、かつては実施していたが既に終了した国、そして全く実施していない国での死者数を比較して、何らかの相関関係があるのではないかと取り沙汰されていた。しかしその後、2017年まで接種を継続していたポルトガルなどでの死者数が増加したことで、議論は一時沈静化していた。

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ちなみに、日本で採用されているBCGワクチンは、パスツール研究所から直接分与された「前期分与株」で、オリジナルに近いものと言われる。英国では1953年以降、10歳から14歳の子どもを対象に接種していたが、2005年をもって接種プログラムが終了している。

By 週刊ジャーニー (Japan Journals Ltd London)