新型コロナウイルスという人類全体が直面している大きな問題の陰で、プラスチック問題が論じられる機会は激減してしまっているが、使い捨てコンタクトレンズに関する懸念が表明されたことを「デイリー・テレグラフ」紙が伝えている。
米国のアリゾナ大学の研究チームが問題を提起。チームを率いるロルフ・ハルデン教授は「私自身、成人してから、ずっとメガネやコンタクトレンズを利用しているが、これらのプラスチック製品が環境に与える影響を調べた例はないのでは?」と考えたのが、研究発足のきっかけだったと説明する。
コンタクトレンズ利用者139人にたずねたところ、19%が使い捨てコンタクトレンズを洗面所の流しやトイレに流していると回答したことが判明。米国全体では、コンタクトレンズ装着者が4500万人いるとされており、その約2割が毎日コンタクトレンズを洗面所の流しやトイレに捨てているとすると、年間で10トンのコンタクトレンズが下水に流されている計算になるという。
一方、英国のコンタクトレンズ装着者は420万人。米国の1割弱で、単純計算では年間1トンほどのコンタクトレンズが下水に廃棄されていることになる。
コンタクトレンズにはプラスチックやシリコンなど含まれ、長い時間の中で、水中でどのように分解されるかについてはまだ解明されていないものの、魚がエサといっしょに体内に取り込むことは十分考えられ、その魚を人が食べることになる可能性は否定できないと説明されている。
使い捨てコンタクトレンズはゴミ箱に捨てるようにしたほうが賢明なようだ。
By 週刊ジャーニー (Japan Journals Ltd London)