■英国内のロックダウン緩和が進む中で、逆に感染が拡大しているとして局地的に「再ロックダウン」の措置が取られているイングランド中部の都市レスター。人口約34万人の同地で、一体何が起きているのか? BBC(電子版)が報じた。
レスターでのコロナ感染者の急増が最初に確認されたのは6月8日。それ以降、感染者数は増え続けている。
感染拡大の原因のひとつとして挙げられているのが、米国で起きた白人警官による黒人男性の暴行死事件を抗議するデモ。レスターでは、6月初めのデモ集会に数百人もの人々が参加。ただ参加者の多くがマスクを着用していたとの証言もあり、同じようにデモが開催された他の地域では問題がなかったことから、これが一番の要因ではないとする意見もある。
最も有力視されているのが、住民の特殊性。レスター住民の約半数は移民労働者で、英国内で最も文化的に多様な都市のひとつ。とくにレスター東部はこうした人々の住宅や工場などが密集し、過密状態になっているという。感染拡大はこの東部で起きており、感染急増の兆候が見られた段階で、工場閉鎖などの速やかな措置が取られなかったことが大きいと考えられている。
ちなみに、レスターよりも感染者数が多いのが、ウェールズ南部の都市マーサー・ティドビル。ただし政府は、同地の食肉処理工場などで局所的に流行しているのであって、都市全体での封鎖は今のところないとしている。
By 週刊ジャーニー (Japan Journals Ltd London)