チャーチル英元首相は偉大なる差別者!?

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■ 米ミネソタ州で黒人男性が白人警官らによって殺害された事件以来、各国に拡散し過激化する人種差別への抗議運動。英国でも7日、17世紀の奴隷商人の銅像が反人種差別デモの参加者たちによって引きずり倒された上、ブリストル湾に投げ込まれた。その後も奴隷制度や人種差別を象徴する人物にスポットが当たり続けている。BBCが報じた。

ロンドンでは7日、パーラメント・スクエアに立つ元英首相ウィンストン・チャーチルの像が「人種差別主義者」と落書きされた。第2次世界大戦で英国を勝利に導いたとして、賞賛されるチャーチルの像を破壊から守るため、現在銅像は鉄の板で覆い隠されている=写真、2020年6月15日撮影。

チャーチル元首相は2002年、「英国の偉大なリーダー」を選ぶ世論調査で堂々の1位に輝いた人物だ。しかし、人種に対する考え方により、チャーチルは極めて論争の的となりやすい人物ともいえる。

「The Churchill Myths(チャーチルの神話)」の共同著者であるリチャード・トイ氏は「チャーチルが人種差別主義者だったことは疑う余地はない。チャーチルは白人がどの有色人種よりも優秀だという考えを持っていたし、そうはっきりと声にも出していた。彼は、『インド人は忌々しい宗教を信仰する汚らわしい連中だ』と不快な発言をしていた。中国人に対しても同様だった。ただし、チャーチルはヴィクトリア朝時代に生まれ、その空気の中で育った人物であるということを忘れてはならない」と擁護する。

「Churchill: The End of Glory(栄華の終焉)」の著者ジョン・チャームリー氏は2015年、BBCのインタビューで「チャーチルは人種のヒエラルキー信奉者だった。その中で最高位が、白人のプロテスタント教徒。その下に白人のカトリック教徒が続く。インド人はアフリカ人よりも優位とされた」と述べた。

また、チャーチルは1937年、パレスチナ王立委員会で「北米のインディアンやオーストラリアの黒人に対して、悪行が行われたとは思わない。より強く、人種的に上級で、より高邁な人種がその土地の新しい支配者になったのであって、それが悪いことだとは思わない」と語ったという。チャーチルはこれ以外にもユダヤ人やイスラム教徒に対する差別的発言や、1943年に発生したベンガル飢饉で200万人以上が死亡した際の対応が不十分だったという批判にさらされてきた。

コロナ禍によって世界でロックダウンが続く中で発生した人種差別問題。非難の矛先は思わぬ方向に向かい始めている。

By 週刊ジャーニー (Japan Journals Ltd London)