■ 6月5日、新型コロナウイルスによる英国内の死者数が4万人を超えた。4万人を超えたのは、米国に次いで2国目。一方で、8日に発表された英国内での1日の死者数は55人とロックダウン開始以来、最小となった。新型コロナウイルスは、終息に向かっているのか。英国ではロックダウンの緩和と締め付けの強化が同時に始まった。
今月1日から小学校の一部で授業が再開され、屋外マーケット、自動車ショールームも営業再開が認められた。15日には、さらに衣料品や家電品を扱う店舗などの再開が見込まれている。いよいよ待ちに待った経済活動再開の足音が聞こえてきた。
ところが8日、海外から英国に入国する全ての渡航者への14日間の自主隔離政策が施行された。飛行機や鉄道、そしてフェリーで英国に到着した人は、入国後に自主隔離する場所の住所を申告しなければならない。英国人もその対象となる。申告を怠った場合、100ポンド(約1万4000円)の罰金が、さらに自主隔離をしていないことが発覚した場合には最大で1000ポンドの罰金が科される。
乱れる足並み
航空・旅行業界は、この方針に強く反発。ブリティッシュ・エアウエイズやイージージェットは政府法務局のトップに書簡を送付、法的手段に訴える動きに出ている。ライアンエアのトップもこの方針を批判している。
一方、国家警察長官会議(NPCC)広報は「隔離政策は公衆衛生局の管轄であり、警察は限られた役割しか担っていない。偽の住所が申告されたことが発覚しても、直ちに罰金を科すことはない」とコメント。隔離政策が必ずしも政府の思惑どおりに進んでいないことが浮き彫りとなった。
マスク着用義務化
15日より電車や地下鉄、バスや航空機などの公共交通機関の利用客は、感染拡大防止のためマスクや口を覆うものの着用が義務付けられる。違反者には80ポンド(約1万1000円)の罰金が科される。また、グラント・シャップス運輸相は「医療用マスクは一般人ではなく医療従事者に渡るようにして欲しい」と呼び掛けている。
経済再始動に向けて始まったロックダウンの緩和。それと逆行するかのように、強化された罰金付きの自主隔離やマスク着用の義務化。「ちぐはぐ」「ボタンの掛け違え」といった言葉が去来する。こうした厳しい措置をロックダウン開始と同時に実施していたら、状況はかなり違っていたのではないか。残念ながら覆水が盆に返ることはない。
By 週刊ジャーニー (Japan Journals Ltd London)
































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