回顧録には現在興味なし!その代わりに…メイ前首相の『野望』とは

EU離脱問題で泥沼に入り込んでいる英国。その元凶となった2016年の国民投票を実施し、敗北後に首相の座を辞したばかりか国会議員も辞めたデヴィッド・キャメロン氏が回顧録『For the Record』を9月なかばに発表、話題となったことは記憶に新しい。執筆料は80万ポンド、2万5000ポンドの「小屋」を自宅の庭に立て、そこで執筆したこともニュースになった。首相経験者が多額の執筆料を得て、こうした回顧録を発行するのは、恒例化している。しかし、メイ前首相は今のところ、回顧録には積極的ではないという。「デイリー・テレグラフ」紙が伝えた。

代わりに、メイ氏が書きたいのは、「ウォーキング・ガイド」。自身の選挙区であるイングランドのメイドゥンヘッドの近くで行われた文学フェスティバルで言及したもので、特にアルプスでの山岳ハイキングについて書いてみたいという『野望』を披露。
メイ氏夫妻はウォーキング愛好家として知られ、2017年、保守党の過半数割れという予想外の結果に終わった総選挙を決断したのは、ウェールズでの山歩きを楽しむ休暇中だったことは有名。苦い思い出も、今となっては過去のことなのだろう。
ちなみに、回顧録を発行しなかった首相経験者は、第二次世界大戦勃発時に首相職にあったネヴィル・チェンバレン氏(1869~1940)以降、皆無という。チェンバレン氏は、対ナチス・ドイツへの宥和政策の失敗から首相職を辞し、その半年後に腸のがんで死去しており、物理的に回顧録執筆は無理だったと見られる。回顧録は、首相経験者にとって、実入りのよいビジネスであることは事実。メイ氏のウォーキング・ガイドは実現しなくても、回顧録はそのうち発行されること間違いなし!?

By 週刊ジャーニー (Japan Journals Ltd London)