勢いが止まらない!ジンの売上げ、 10年で254%増

■ジン&トニックやマティーニなどのカクテルに欠かせない蒸留酒「ジン」。ここ数年、人気の高まりを裏付けるニュースが次々と報じられる中、英統計局(Office for National Statistics)が最新のレポートを発表し、売上げが過去10年で254%増加していることが明らかになった。「デイリー・メール」紙(電子版)が伝えた。

統計局が11月28日に発表した最新のレポートによると、2017年におけるジンの売上げが4億6100万ポンドに上ることが分かった。2008年(1億3000万ポンド)から254%増加したことになるという。
特に2014年以降の伸びは著しく、2億3000万ポンドだった2014年から3年間で2倍に膨らんでいるとされる。

ロンドンで発展した蒸留酒

英国におけるジンの歴史は18世紀にさかのぼる。もともと薬酒として用いられていたが、蒸留の容易さから密造が進んだことに加え、値段が安かったことから一般大衆に広く浸透。ロンドンだけでも7000店もの販売所があったとされ、街は酔っ払いであふれたという。18世紀半ばのロンドンでは、死亡率が出生率を上回った時期もあり、その主な原因が粗悪なジンの飲み過ぎによるものだったとも指摘されている。そのため、ジンはいつしか「母を堕落させる酒(Mother's Ruin)」と呼ばれ、退廃した社会の象徴とされるようになった。
その後、18世紀後半から19世紀には、「ゴードンズ(Gordon's)」「ビーフィーター(Beefeater)」といった現在にも続くジン蒸留所が創業されて、ジンの改良に取り組み、「粗悪品」のイメージを一新。20世紀にはカクテル文化の高まりとともに、再び人気を盛り返していった。

香りの組み合わせで魅了

ジンは穀物を原料に蒸留し、香り付けに使われるジュニパーベリー(西洋ネズ)のさわやかな香りを特長とする蒸留酒だが、このほかにも、カルダモンやコリアンダー・シード、柑橘系果物などが用いられている。
「デイリー・メール」紙では、現在のジン・ブームの要因について、無限ともいえる素材の組み合わせによるものと分析。独自のレシピで香りを生み出すことを楽しむ作り手たちによって、ジン作りがいわば「芸術」の域に押し上げられたことにあると指摘している。
現在、英国には275以上の蒸留所があり、ヨーロッパで製造されるジンの4分の3を英国産が占める。愛飲者の半数以上が35歳以下で、主に若い世代に支持されていることも伝えられた。

By 週刊ジャーニー (Japan Journals Ltd London)