サンドイッチを食べて死亡2件…食品表示規制に疑問の声

■ 英国に拠点を置くサンドイッチ・チェーン「プレタ・マンジェ(Pret a Manger)」で商品を購入した利用客が、食後にアレルギー反応を起こして死亡するという事故が発生していた。食物アレルギーを持つ人にとって、原材料の表示は生死に関わるだけに、被害者家族や専門家からは、食品表示に関する取り決めを疑問視する声が上がっている。英各紙が伝えた。

2つの死亡事故

ロンドン南西部フラムで暮らしていたナターシャ・エドナン=レイプローズさん(当時15)は2016年7月16日、父親と友人とともにフランス旅行に出発する直前、ヒースロー空港内のプレタ・マンジェでバゲットサンドを購入した。しかしそのバゲットサンドを食べた後、機内で体調が悪化。着陸後、直ちに病院に搬送されたが死亡が確認された。
レイプローズさんの死因審問が今年9月末に行われ、レイプローズさんがアレルギーを持っていたゴマが商品原材料に表記されていなかったことがわかったという。事態を重く受け止めたプレタ・マンジェは、来月から全商品に対し、使用した食材すべてを記載すると発表した。
ところが発表から1週間ほどが経った7日、別の死亡事故が発生していたことも判明。2017年12月に当時42歳だったシリア・マーシュさんが、乳製品を含まない(dairy free)サンドイッチを購入し食べた後、アレルギー反応を起こして死亡したとされる。
死因に関しては、今後、死因審問が行われる予定だが、同社はマーシュさんが食べた商品にはデイリー・フリーのヨーグルトを使っていたが、業者から仕入れたこのヨーグルトには乳タンパク質が含まれていたと説明。自治体からの連絡を受けて関連商品の回収を行ったとされる。

規制の抜け穴

英国では現在、食品に対してアレルギー反応を起こす可能性のある食材のうち、セロリ、卵、牛乳などを含む14種類に関しては、ラベルに表記することが定められている。しかし、この取り決めには抜け穴(loophole)があり、店舗内で製造して販売する食品に関してはアレルギー性の食材の表記は義務付けられていないという。
こうした現状を受け、レイプローズさんの父親は、「この規制はロシアン・ルーレットみたいなものだ」と非難し、「同じような悲劇が起こっては絶対にならない」と主張。家族や専門家らは規制の改正を求めている。
今回の事故は、プレタ・マンジェに限らずどこの店でも起こりうるだけに、環境相のマイケル・ゴーヴ氏は、早急にルールの見直しを行いたいとコメントした。

by 週刊ジャーニー(Japan Journals Ltd, London)