グレンフェル・タワー大火災から1年…出火元フラットの住人が悲痛な訴え

■ 72名もの犠牲者を出したグレンフェル・タワー大火災が起こってから、14日でちょうどまる1年。なぜ多くの命が奪われたのか、原因と責任を問う調査が進んでいる。その中で、出火元となったフラットの住人が証言台に立ち、悲痛な思いを語ったことを各メディアが伝えた。

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ロンドン西部ノッティングヒルの一角にある23階立てのグレンフェル・タワーで火事が発生したのは昨年6月14日、午前1時前のこと。4階16号室から出火した。

同フラットの住人でタクシー運転手のビハイル・ケベデ氏(45)は、火災報知機の音に起こされたという。台所のホットポイント社製冷凍冷蔵庫の裏から火の手があがっており、即座に救急に通報。すぐにはつながらず、何度目かの電話でようやくオペレーターに事情を説明できたのが午前0時54分。その5分後には消防隊の第一陣が到着。消火活動が始まった。

素足で脱出
「火事だ!」。4階の隣人たちのドアをたたいて起こして回ったあと、自分も着の身着のまま外へ。素足で、持っていたのは消防にかけるために手にしていた携帯電話のみ。フラットや車の鍵も置いたままだった。自分だけ、スーツケースに荷物をつめて避難したという「噂」は完全否定した。

弁護団は、ケベデ氏は常識にのっとり、適切に行動したと強調。警察も、同氏を加害者ではなく、「重要証人」と見なしているとされている。

しかし、エチオピア出身ということも手伝ってか、同氏がこの大惨事を引き起こした元凶と決めつける人が少なくなく、ひどいトラウマとストレス、良心の呵責に苛まれているという。今回の調査で、同氏に責任はないことを明確に示してほしいと切実に訴えている。

怒りの対象にされ、身の危険にさらされているケベデ氏とその家族について、警察は証人保護プログラムの適用を提案しているという。

by 週刊ジャーニー(Japan Journals Ltd, London)