女王陛下のランジェリー提供店、「ロイヤル・ワラント」はく奪

0118 1■60年近くに渡って英王室にランジェリーを納めていた企業がこのたび、「ロイヤル・ワラント(Royal Warrant=王室御用達)」の認定を失った。英各メディアが報じた。
写真:ロイヤル・ワラントをはく奪されたリグビー&ペラーのコンデュイット・ストリート店。©Japan Journals Ltd

 高級下着メーカー、リグビー&ペラー(Rigby & Peller)は1960年にロイヤル・ワラントの認定を受けて以来、女王やクイーンマザー、そしてマーガレット王女など、英王室の女性メンバーのランジェリーを仕立ててきた。そのロイヤル・ワラントがはく奪されたのは、70~80年代にかけて女王の採寸などを実際に行って縫製していた同社の前オーナー、ジューン・ケントン(June Kenton 82)さんが自伝「Dカップの中の嵐(Storm in a D-Cup)」を昨年3月に発表してまもなくのこと。同書の中ではケントンさんが女王のコルセティアー(corsetiere=ランジェリー担当者)として頻繁にバッキンガム宮殿を訪れていた際のことについて触れられているという。
 ケントンさんは「自伝の中には何も驚くようなことは書かれていないのにこんなことになってしまって今でも信じられない」と嘆く。「宮殿に行ったことがあるとは書いたが、そこで何があったかは触れていないし、王室メンバーとの間で交わした会話など一切外部に漏らしたことはない」「人生が終わろうとしているこの年でこんなことになるなんて、どうしていいか分からない。宮殿と争うことはできないし、争うつもりもないけれど、つらい」「ランジェリーの世界で60年働いてきた。王室のお仕事をさせていただくのはとても名誉なことだった。私の自伝が王室メンバーの気分を損ねたなんて信じられない。一人のコルセティアーの可愛らしいストーリーなのに」と肩を落とす。
 ケントンさんは1982年に夫とともに同社を2万ポンドで買収、2011年に同社株のほとんどを800万ポンドで売却した。
 ロイヤル・ワラント協会は今回のはく奪と本の因果関係を否定。毎年20~40のロイヤル・ワラントが取り消され、ほぼ同数の新しいロイヤル・ワラントが与えられているという。
 ロイヤル・ワラントは認定できる王室メンバーお気に入りの生産者に与えられ、5年毎に審査が行われる。認定された生産者はその旨を自身の広告に使用してもよく、また王室に提供する商品も正規料金を受け取ることができる。
 ロイヤル・ワラントを認定できるのはエリザベス女王の他、フィリップ殿下、チャールズ皇太子のみ。現在、ロイヤル・ワラントを認可されている生産者はバーバリーやアストン・マーティン、リプトンやフォートナム&メイソンなど816社。そのうちエリザベス女王認可の生産者が622社と最も多い。

by 週刊ジャーニー(Japan Journals Ltd, London)