沈没艦船が荒らされている…世界最大級の墓荒らし、横行

1113 2■第二次世界大戦時に海戦で沈没した日本海軍をはじめ、英、米、豪、蘭の軍艦が、無許可のサルベージ(引き上げ)業者らによって破壊され、鉄だけでなく希少な金属類が不法に持ち去られ続けているという。「ガーディアン」紙(電子版)が報じた。
写真:マレー沖海戦で日本軍機の攻撃を受け回避行動を行うプリンス・オブ・ウェールズ(画面左前方)とレパルス(画面左後方)。

 正規引き上げ業者や海軍史研究家などの調査で、第二次世界大戦時に沈没した艦船のうち、既に40隻ほどが部分的にまたは完全に破壊されて持ち去られていることが分かった。
 これまでに破壊された船体の中には4500人前後の遺骨が含まれていた可能性があるという。太平洋には日本海軍のものを中心に、まだ発見にすら至っていない沈没艦船が相当数、海底に沈んだままとなっている。こういった沈没艦船で引き上げ可能なものは通常スクラップとして売却されるが、中には銅線やリン青銅製のスクリューなど、より高値で売買される金属も含まれている。
 専門家は「墓場荒らしの連中は核実験前の、つまり大気が放射能で汚染される前に製造された艦船の鉄を探しているのかもしれない。こういった金属は放射線を含まず、医療機器の開発等に不可欠な素材なため高値で取引される」と指摘している。
 ガーディアン紙は1942年にインドネシアのジャワ近海で沈んだ英海軍の重巡洋艦や駆逐艦3艦が既に何者かによって破壊され、金属が回収されていた事実を報じていた。これらの艦船には少なくとも150人の遺骨が残されていた可能性がある。
 また、2014年の調査ではマレー沖海戦で日本軍機に撃沈された英海軍の最新鋭艦レパルスとプリンス・オブ・ウェールズの引き上げを試みた者がいたらしく、船体が激しく傷つけられていることも判明。
 英国防省はインドネシア政府に対し、死者を冒涜する悪徳業者の取り締まり強化を要求している。

by 週刊ジャーニー(Japan Journals Ltd, London)

 

 

 

 

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