エリザベス女王も租税回避?「パラダイス文書」―資料が大量流出!

1109 1■各国の首脳や閣僚を辞任に追い込み、「史上最大のリーク」と呼ばれた「パナマ文書」が公表されてからわずか1年半あまり。また新たにタックスヘイブン(租税回避地)に関する資料が大量流出した。
 文書にはエリザベス女王(91)=写真=をはじめとした世界の権力者、セレブリティら約120人の名も含まれており、租税回避地が広く利用されている実態が浮き彫りとなった。英各紙が報じた。
写真:© PolizeiBerlin

 「パラダイス文書(Paradise Papers)」と名づけられた資料は1340万件の文書で構成されており、欧州有力紙の南ドイツ新聞が入手したもの。世界67ヵ国の約100の報道機関が参加する国際調査報道ジャーナリスト連合(ICIJ)を通じて5日、各国のメディアに公開された。同文書は、英領バミューダ諸島に拠点を置く法律事務所で、租税回避地への法人設立を手がける「アップルビー」など複数の組織から流出したとされる。
 文書には、米人気歌手のマドンナやロックバンド「U2」のボーカルのボノ、鳩山由紀夫元首相、米企業「アップル」のほか、エリザベス女王に関連する情報も含まれていた。
 女王の個人資産のうち約1000万ポンドが、ランカスター公領(Duchy of Lancaster/国王の私有地およびそれを運用・管理する組織)によってカリブ海に浮かぶケイマン諸島とバミューダ諸島のファンドに投資されていたという。租税回避(tax avoidance)は脱税(tax evasion)とは異なり違法ではないが、ファンドの資金運用先として、消費者トラブルで英議会や消費者団体から批判を浴びていた家具レンタル・販売会社「ブライトハウス」の経営権を持つ会社が含まれていたとされる。ブライトハウスは、クレジットカードを持つことができない低所得者層にも分割払いを認める一方で、最大年率99・9%の高利を課していた。
 公領の広報担当によると、女王は個別の投資に関して指示することはなく、実態を把握していないと説明。「女王は個人資産から得た所得は全て自発的に申告している」とコメントした。
 違法性はないとはいえ、女王がオフショア投資をすべきかどうかといった議論が起こる可能性が指摘されるほか、国際課税に関する法整備を求める声が上がっている。

by 週刊ジャーニー(Japan Journals Ltd, London)

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