■今年に入ってテロが頻発している英国で、かつてないほど警官の拳銃所持が叫ばれるようになっている。「インディペンデント」紙が伝えた。
イングランド並びにウェールズの警察機構が実施した意識調査によると、拳銃所持を支持する警官の数が初めて3割を超えたという。2006年に実施した同様の調査ではわずか23%だった。さらに55%が「指示があれば拳銃を所持する用意がある」と回答。これも前回の調査時と比べると10%も上昇していた。
しかし、調査対象となった3万2300人の警官の中で最も多かった意見は、「すべての警官に銃の所持を義務付けるのではなく、必要な時に銃がいつでも使えるように訓練の機会を増やして欲しい」というものだった。
また、銃を持つよりも常に複数の警官で任務にあたること(68%)、ウェアラブル(装着可能)なビデオカメラの設置(78%)、テーザー銃(スタンガンの一種。有線の電極が空気圧で射出されるもの)の携帯(75%)を希望する警官が圧倒的に多かった。
内部でも分かれる武装論
警察機構のスティーブ・ホワイト長官は、「昨今我々が直面している緊迫した状況下にあっても、3人に2人が武装を望んでいないのは少々意外だった。市民の安全を守るため、より多くの警官が銃の訓練を受け、短時間でいつでも武装警官を配備できる態勢を整えるよう、政府に働きかけていきたい」とコメントした。一方、メトロポリタン警察のクレシダ・ディック長官は、「『もっと多くの武装警官を、全警官武装を』という声が挙がるのは理解できるが私は賛成しない。ロンドンの街のあちらこちらで武装した警官を見たいとは思わない。武装した警官は市民との関係に悪影響を与える」と、全警官武装論に異を唱えた。
調査はウエストミンスター・ブリッジ、マンチェスター市、ロンドン・ブリッジ、フィンズベリーパークで発生したテロ事件を受けて実施された。ウエストミンスター・ブリッジのテロでは警官一人が刺殺され、ロンドン・ブリッジでは、警棒だけで犯人らと対峙した警官数人が重傷を負った。
なぜ丸腰なのか
ところでなぜイングランドの警官は銃を携帯しないのか。19世紀にロンドン警視庁が設立される以前は、街の治安を守るのは歩兵隊の仕事だった。真っ赤な制服に身を包んで武装した軍人に、市民は恐れを抱いていたという。そこで警視庁が発足し、軍人と区別するために制服は青とされた。また警官は市民の代表者であり、武器を携行すると市民との間に壁ができてしまうという理由から、非武装になったという。
by 週刊ジャーニー(Japan Journals Ltd, London)

























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