ロンドン交通局(Transport for London=TfL)は22日、スマートフォンのアプリを利用した米国の配車サービス大手ウーバー(Uber)の営業免許を更新しないと発表した。ライセンスが失効するのは今月30日だが、ウーバー側は不服を申し立てることができ、最終的な判断が下されるまでは営業を継続できる。多くの市民に利用されているだけに、議論に発展している。英各紙が伝えた。
ロンドン交通局は今回の決定に対し、「タクシーや個人ハイヤーをめぐる規制は、乗客の安全を確保するために設けられたもの」とし、ウーバーが営業免許を所有することは適切ではないと判断。公共の安全や治安の問題に関して、「企業としての責任を欠いている」と指摘した。また、ウーバーが規制当局によるおとり捜査回避のためのソフトウェア「グレイボール(Greyball)」を使用していることも、今回の決定の理由としてあげた。
ロンドン市長サディク・カーン氏は同局の決定を支持している。
「更新しない」との報を受け、喜びの声を上げたのは、英国名物の黒塗りタクシー「ブラック・キャブ」の運転手たち。彼らは難関試験を突破してようやく運転手としての資格を得ることができるとされ、以前よりウーバーの運行規制がゆるいことに抗議の声を上げていた。
運転手らを代表する団体「The Licensed Taxi Drivers' Association」は、「公共の安全を第一に考えたTfLの決断は正しい」とコメントした。
2009年に米国で設立されたウーバーは、2012年にロンドンでライセンスを取得して営業を開始。現在、350万人が利用しているとみられている。署名収集サイト「Change.org」上では、決定の取り消しを求める活動が行われ、26日現在、78万人以上の利用者が署名している。
こうした一連の強い反論に対し、カーン市長は「ウーバーはTfLに対して『不公平な圧力』をかけている」と批難。事態を重く受け止めた同社は25日、「私たちが世界各都市の人々の交通手段に革命を起こしたことは紛れもない事実だ。しかし同様に、私たちはここに至るまでに間違いをおかしてきたことも事実」として謝罪。ロンドン交通局に歩み寄る姿勢を見せた。
今後、同局が問題視している「運転手の健康状態、身元の調査」「深刻な犯罪の報告」などについて、両者による話し合いの場がもたれることが予想されるが、「議論の期間は1年を要するのではないか」と推測するメディアもある。
ウーバーは世界の600都市で営業を行い、英国内でも40の都市で運営しているとされる。なかでも大都市・ロンドンでの営業が禁止されれば、ほかの国、都市での運営に影響することが考えられる。
by 週刊ジャーニー(Japan Journals Ltd, London)

























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