■イタリアの人気観光地ベネチアは、観光客が大挙して押し寄せるマス・ツーリズム(mass tourism)が都市に与えている悪影響を緩和するため、拡声器と25人以上の観光客グループを禁止すると発表した。BBCが報じた。
新ルールは今年6月から施行される。ヨーロッパ最大の観光地のひとつであるベネチアにとって過剰なツーリズムの抑制は喫緊の課題として認識されてきた。ベネチアは昨年9月、ベネチアを訪れる観光客から1日5ユーロ(4.30ポンド)を徴収するトライアルを承認していた。
イタリア国家統計局によると同市の面積はわずか7・6平方キロメートルしかないが、2019年に同市を訪れた観光客の数は約1300万人。観光客数は今後数年間でコロナ以前のレベルを超えると予想されている。
昨年7月、ユネスコの専門家は気候変動とマス・ツーリズムの影響により、ベネチアが取り返しのつかない変化に見舞われる恐れがあるとして同市を危機的状況にある世界遺産(world heritage in danger)のリストに加えるべきだと主張。ベネチアが直面している問題を解決するための戦略的ビジョンが欠如しているとしてイタリア当局を非難した。By 週刊ジャーニー (Japan Journals Ltd London)