■1975年に公開され世界を恐怖のずんどこに叩き込んだスピルバーグ監督の映画「ジョーズ」。作品で最初の犠牲者を演じた女性が77歳の生涯を閉じた。英各メディアが報じた。

女優スーザン・バックリーニさんが心臓発作のため米カリフォルニア州の自宅で亡くなった。バックリーニさんは28歳の時、映画「ジョーズ」で最初の犠牲者となる女性の役を演じた。3日間に及んだリハーサルの後、ホオジロザメの餌食となった。
バックリーニさんは女優だけでなくスタントウーマン、全米ランクのスイマー、ダイバー、動物調教師、さらには観光客用アトラクションでは人魚の役を務めるなどマルチに活躍した。
スピルバーグ監督は当時を振り返り、「この役は女優にはやらせたくなかった。水中での演技に優れ、ウォーターバレエの心得があり、激しい揺れに耐える技術を持っている人が必要だった」と語った。バックリーニさんは生前、「撮影は朝6時頃に始まり、終わったのは夜9時くらいだった。撮影が終わると体を温めるために看護師から酒が与えられた。実際にサメに襲われたように見せるため、ケーブルで左右に引っ張られた。いつ海中に引きずり込まれるか教えてもらえなかったため恐怖でよりリアリティ溢れる表情になったと思う。サメのエサになった気分だった」と語っていた。