■ 英国全土で米国式の「ステルス・チップ」が拡大しつつある。飲食店が目に見えにくい新手のチャージを導入し始めたことで、英国民が不快感を示し始めている。「デイリー・メール」紙(電子版)が報じた。
ロンドンの飲食店では15%の「マネージメント・フィー」や「ダイナミック・プライシング」など、耳慣れない追加料金を客に請求するケースが増えている。近年、レストランではサービス料が当たり前になっており、少なくとも10%(多くは12・5%)が加算される。しかし、こうした追加料金は今やビールやコーヒーなどあらゆるものに「密かに」乗せられている場合がある。専門家は、英国が米国のチップ文化を採用する方向に向かっていると懸念を示している。最近、英国全土で導入された任意の料金には以下のものがある。
- ●飲茶チェーン「ピンポン」:15%のマネージメント・フィー(management fees)
- ●ソーホー地区のフレンチ「エスカルゴ」:15%のサービスチャージ(service charges)
- ●ショーディッチのイタリアン「グロリア」:2.99ポンドのチェックアウト・フィー(checkout fees)
- ●ザ・スコッツマン・グループのバー&パブ:2%の自動チャージ(automatic charges)
- ●ストーンゲートのパブ:週末1パイントが20ペンス高くなるダイナミック・プライシング(dynamic pricing)
消費者動向に詳しいジェーン・ホークス氏は「このような料金の上乗せは懸念すべきこと」と述べ、労働組合ユナイトは「これは公正なチップに関する新しい法律を回避するための、人を馬鹿にした試みだ」と語った。
これは、7月1日に施行される雇用(チップの割り当て)法(The Employment《Allocation of Tips》 Act) に先駆けたもの。ホスピタリティ業界では、客から得たチップとサービス料をスタッフに公平に分配することが義務づけられる。これにより、政府は推定2億ポンドが従業員のポケットに入ると試算している。7月1日以降、サービス料は経営側の収入に出来なくなるため、それを回避するために別の名目に置き換える店が増えているということだ。(
)By 週刊ジャーニ (Japan Journals Ltd London)