■亡くなった人の言葉や性格をAI(人工知能)のチャットボットが「再現」し、死者と「対話」することが可能になりつつある現状について、生きている人に及ぼす危険性が指摘されている。「メトロ」紙(電子版)が伝えた。チャットボット(Chatbots)とは「チャット」と「ロボット」を組み合わせた言葉で、AIを使って自動的に会話ができるプログラム。テクノロジーの進化により、現在は死者との会話も可能となりつつある。

しかし、この通称「デッドボット」(Deadbots)の開発について、ケンブリッジ大学の研究者たちは「亡くした悲しみを和らげ、最初は安らぎを得たとしても、永続的な日々のやりとりはいずれ精神的苦痛をもたらす危険性がある」とリスクの高い試みであると主張。企業がデッドボットを悪用し、故人が愛した商品であるかのように宣伝したり、亡き両親が「いつもあなたのそばにいる」と語ることで親に依存し続けたり、子どもを苦しめたりするなど、「デジタル憑依」を受ける可能性があると警告している。
研究者によれば、GPTモデルを活用した「Project December」や「HereAfter」など、AIによる死者の再現を提供する有料アプリはすでにあり、こうしたサービスは今後ますます拡大していくと見られている。By 週刊ジャーニ (Japan Journals Ltd London)