■オリーブオイルが底を尽きそうだったので、近くのセインズベリーズに買いに行った。値札を見て仰天。いつも使っているフィリポ・ベリオ社のエクストラ・ヴァージン・オリーブオイル(500ミリリットル入り)が1本8.60ポンド(約1600円)。2020年夏にはわずか1.86ポンド(約350円)だった。
ウクライナ戦争のあおりで少しずつ値段が上がって来たが今年6月頃、ヨーロッパ、とくにスペインが猛暑と干ばつに見舞われオリーブの収穫量が激減しているという報道があった。この時にオリーブオイルを多めに買っておこうかとも考えたが、長期保存による品質劣化が気になりそのままにしてしてしまった。
EU諸国では400万ヘクタール(約1000万エーカー)のオリーブ畑で毎年200万トンのオリーブオイルが生産されている。これは世界の生産量の約3分の2を占める量。最大の生産国はスペインでEU全体の半分以上を占めており5年前には180万トン近く生産していたが、2022~23年には66万3000トンにまで激減。
収穫量ではイタリア、ギリシャ、ポルトガルがこれに続くがイタリアとポルトガルのオリーブオイル生産量も大幅に減少。一方、ギリシャは前年の23万2000トンから34万トンに上昇した。 収穫総量の激減にインフレと肥料費の高騰が追い打ちをかけたことで5月以降、価格が一気に上昇し始めた。スペインでは在庫が急速に減少。生産が需要を満たしていないため、今後も価格が上昇する可能性が高い。サラダ油でペペロンチーノ? やめてほし~の。(編集部T)By 週刊ジャーニー (Japan Journals Ltd London)