不況が長引く英国では、誰しも苦しい状況の中にあるかと思っていたが、実はそうではないことが改めて指摘された。わずか1%の富裕層が、英国全体の資産の4分の1を保有していることが明らかになったことを、「メトロ」紙が伝えている。
 英国を代表する慈善団体のひとつ「オックスファム」が金融機関「Credit Suisse」が公表した統計をもとに分析を実施。その結果、英国の人口の1%にあたる63万4000人が、国内資産の25%を保有しているのに対し、経済的にもっとも恵まれない13000万人が保有するのは合計しても、わずか0・8%にしかならない計算になることが判明したという。
 また、バーミンガム大学の別の調査では、家賃が払えず、賃貸物件から退去させられた人は、2010年には2万7000人だったのが、2015年には4万1000人を数えたことも分かり、経済的に恵まれない層が置かれている状況はさらに悪くなっているとの声が聞かれている。
 オックスファムでは、「英国は世界で最も豊かな国のひとつだが、実情は、持つ者と持たざる者に極端なほど分けられている」と現状を厳しく批判。首相のテリーザ・メイ氏に対し、公平に富が分配されるような政策を実施してほしいとコメント。
 リーマン・ショックがもたらした金融危機からの回復をめざす過程で、貧富の差はさらに顕著になったと見られている。
 EU離脱による経済への影響が懸念される中、今後、貧富の差の是正に向け、政府がどのような対応をとるか注視されることは必至といえるだろう。