【英EU離脱問題】英国で移民へのヘイトクライム、急増

「ヘイトクライム（hate crime）」（日本では「憎悪犯罪」などとも呼ばれる）とは、人種、民族、宗教、性的指向といった文化的背景にもとづく特定のグループに属する、個人や集団に対する偏見や憎悪を理由に引き起こされる暴力行為などの犯罪行為のことを示す。国民投票により英国のEU離脱が決まって以来、移民へのヘイトクライムが急増。強い不安の声が聞かれていることを「メトロ」紙などが伝えている。
ロンドン西部ハマースミスにある、ポーランド人コミュニティの集いの場「ポーリッシュ・センター」で、ガラス張りの入り口に黄色いペンキでののしり言葉が大きく落書きされたのをはじめ、イングランド北部のマンチェスターではトラム内で乗客が「アフリカに帰れ」とおどされている動画が撮影されて３人が逮捕されたり、やはりイングランド北部のチェスターで在英40年あまりというドイツ人女性が「玄関のドアから犬のフンが投げ込まれたり、長年友人だった英国人たちと絶交状態になったりしている」「ここ３日ほど、こわくて外に出られないでいる」という電話投稿が地元のラジオ局に寄せられるなどしているという。
教育関係者からも、移民の子供たちが国外退去を命じられるのではないかと「恐がっている」と、懸念する声があがっていると報じられえいる。
いたずらに恐怖心を抱くのは賢明ではないが、英国全体が動揺しているのは事実。在英邦人も安全に暮らせるよう願うばかりだ。