なぜ増え続けるのか…イングランドの肥満率、30年で倍増

■イングランドで、肥満に分類される成人が30年間で大幅に増えている。英シンクタンク「キングス・ファンド」の分析によると、1993年には16歳以上の15%だった肥満率が、2024年には過去最高の30%に達した。現在、肥満と分類される成人は約1400万人で、もし1993年の割合を維持できていれば700万人少なかった計算になる。各メディアが報じた。

特に増加が目立つのが16~24歳。肥満または重度肥満とされる割合は1993年の6%から2024年には18%へ上昇し、現在は約100万人の若者が肥満に分類されるという。政府が30年間で14の肥満対策を打ち出してきたにもかかわらず、十分な成果を上げられていない。背景には、食生活や仕事、食品価格など社会の変化がある。製造業や肉体労働が減り、座って働くオフィス職が増えたことで、日常的に体を動かす機会が減少。また、スーパー間の競争やファストフード店、宅配サービスの普及で、高脂肪・高塩分・高糖分の食品を手軽に食べられる環境が広がった。こうした食品は貧困地域ほど消費されやすい傾向も指摘されている。

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政府はこれまで、子ども向けテレビ番組でのジャンクフード広告規制や、2018年の砂糖入り飲料への課税などを実施。2026年1月には、テレビで午後9時より前、オンラインでは時間を問わず、ジャンクフード広告を禁止することを決定。一方、不健康な食品の販売規制など、今後の対策には遅れもある。

肥満は2型糖尿病や心臓病、高血圧、一部のがんなどのリスクを高め、英国経済への負担は年間約1260億ポンド、国民保健サービス(NHS)だけでも約120億ポンドに上るとされる。近年は「ウゴービ」や「マンジャロ」などのGLP-1系の減量薬も普及しているが、政府は薬だけでは解決できないとしている。英国の最高医療責任者クリス・ウィッティ氏も、薬を生涯使い続けることだけが対策になるなら「社会全体の失敗だ」とコメント。生活環境そのものを変える取り組みが求められている。 By週刊ジャーニー (Japan Journals Ltd London)


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