■ウィリアム皇太子夫妻の広報窓口の役を担うケンジントン宮殿は22日（金）、がんが見つかったと語りかけるキャサリン妃（42）のビデオを公開した。この数週間、同妃に関する様々な憶測が拡散され、根拠のない陰謀論が世界中のメディアで繰り返されている中での衝撃的な発表だった。BBC（電子版）が報じた。
キャサリン妃が腹部の手術を受けて以降、ケンジントン宮殿の広報戦略は失敗していると非難されてきた。母の日に公開された家族写真には、フォトショップで修正されたと思われる箇所が見つかり、さらに陰謀説が拡散した。そんな中で人々はキャサリン妃がカメラに向かい、辛いニュースを公表する姿を目にした。奇想天外な陰謀論により、通常の声明文ではなくビデオで、がん罹患を発表せざるを得なかったとの指摘もある。元ダウニング街広報部長クレイグ・オリバー卿は「キャサリン妃のビデオには『人を傷つける憶測にふける前に、よく考えてから行動して欲しい』というメッセージが込められている」と語った。
ケンジントン宮殿は、かねてからキャサリン妃にはプライバシーの権利があると主張していた。しかし、キャサリン妃が表舞台から姿を消した途端、瞬く間に噂が拡散したことに宮殿側は愕然とした。そのような中、キャサリン妃の結婚に関する疑惑が米国のテレビで放映され、ネット上では不気味な憶測が飛び交った。これには王室も動揺したことだろう。さらに王室を驚かせたのは、そうした噂を楽しんで見る人たちが大勢いたということだ。
キャサリン妃のビデオは、宮殿広報の仕組みを理解している人たちから称賛を浴びている。エリザベス女王の元報道官であるチャールズ・アンソン氏は、BBCの取材に対し「ネットの時代において、情報を正しく伝えることは非常に難しい。キャサリン妃のビデオは国民に事実を伝えると同時に、家族を守るための領域をつくるという点でとても正しかった」と指摘した。また、広報の第一人者マーク・ボルコウスキー氏も「王室の広報は世界で最も難しい仕事だ。しかし、彼らは主導権を取り戻すことに成功した。キャサリン妃のビデオが発表されて以降、英国のみならず世界中の人々から大きな愛と同情の声が寄せられている」と語った。By 週刊ジャーニー (Japan Journals Ltd London)
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